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第四回 ワクチンで防げる感染症
理人の猫と幸せに第4回 ワクチンで防げる感染症 ワクチン接種により防げる感染症の症状、治療法などを解説していこうと思います。 今回は「猫カリシウイルス感染症(FCV)」 ウイルスの特徴 ウイルスの感染力は強く、感染したネコと直接触れ合ったことによる感染、感染したネコのくしゃみ等による空気感染、感染したネコと人間との接触を介しての感染など多岐にわたる。実験では、乾燥した環境下にウイルスを置いた場合、3~4週間もの間ウイルスが生存している、非常に頑固なウイルスです。 感染経路 飛沫感染、感染している猫との接触。 主な症状 FCVはネコのかかる代表的な呼吸器感染症の1つであり、初期には高熱やくしゃみ、鼻水やよだれを垂らす、食欲減退などの症状を起こします、症状が長引くと舌や口に潰瘍が出来たり、口内炎が出来るときもあり、また潰瘍や口内炎の二次感染として肺炎を起こし、最悪の場合死に至る。 私が最近保護した仔猫は保護時に口を開けて確認したら舌部に潰瘍があり、FCVに感染していたことが容易に確認できました。 子ネコの場合は、生後3~9週間程度までは母ネコから母乳を介して受け継いだ免疫によって守られていますが、生後10週間以降の子ネコは受け継いだ免疫がなくなってしまうためFCVに感染しやすくなり、症状が重くなることも多いといわれています。ただし3歳を過ぎる頃になると、発症しても軽微な症状のみか、感染しても発症しないことが多いです。 診断と治療 私が保護した仔猫の例で説明しますと、診断は舌部や口内の潰瘍や炎症でわかります。重篤な場合肺のX線撮影により肺炎の有無を確認します。 治療は抗ウイルス剤(インターフェロン)の注射、抗生物質の飲み薬と目薬(内外からのアプローチ)さらに、消炎剤の目薬です。 インターフェロンがよく効いて、4日ほどで潰瘍は消失。2週間ほどで回復。その間は先住猫への感染防止のためケージに毛布をかけて飛沫を防止。(先住はワクチン接種してますが、感染しない保証はないので念のため) 次回は猫汎白血球減少症(猫パルボウイルス)についてお話しします。